修羅の世界に堕とされた聖(ひじり)。
何度殺され死んでも、何度も蘇る修羅の世界。
その世界で唯一楽になれる方法とは魂が満たされた時。
終わらぬ争いの中、魂はいつまでも満たされる事無く、聖は永遠とも言える戦いに苦しんでいた。
ある戦いの中、修羅に追われる女性を助ける事になった聖。
その女性は遊郭で働く遊女、天命(あめのみこと)だった。
傷を癒すため、天命の遊郭で体を休める聖。
天命からただよう懐かしい香りに心を許し、そのまま二人は身を重ねようとした時、聖は告げる。
自分自身が女の体で生まれて来た事を・・・。
儚い顔の聖を抱き寄せ、天命は微笑みこう言った。「抱いてください」
天命に身を寄せる聖の心と体は満たされていく。
その時、雷鳴と共に現れたのは聖の宿敵 紅蓮(ぐれん)。
聖は思った。
「このまま死ねばもう蘇らずに済むのかもしれない」
だが宿敵の紅蓮は聖が女である事を知ると強引に犯し、その後は天命をも抱き寄せ行為に及んだ。
紅蓮を受け入れ抱かれる天命の姿を見せつけられた聖は、再び激しい殺意を覚え、さらなる修羅の道へと堕ちていく。
さらに聖は、この時に紅蓮の子を身籠ってしまうのであった・・・。
『私とあなたは出逢いましたが、この代は争いの止まぬ世界。
血の雨が降り続く中愛し合ったところで一体何になるのでしょうか。
それでも野に咲く蓮華はあなたのようで、
いつの日だったか青空の下で過ごした春の日を想い出します』
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